セッション12

セッション15では宗教における「感情と理性」という二元論、そしてアメリカの反知性主義の伝統、ダーウィン主義を扱います。
 
ジェイムズはアメリカの哲学者としてギフォード講義に赴き、ヨーロッパ知識人の聴衆に語りかけます。そこで、ジェイムズは形而上学クラブから受け継いだ反知性主義の立場を鮮明に打ち出します。 そこにはアメリカ哲学を背負うジェイムズの矜持と覚悟が垣間見えます。 また、ジェイムズは「哲学」において宗教における「感情と理性」という二項対立を取り上げると同時に、多元主義的な立場を表明します。 大陸哲学的な二元論を乗り越えようと格闘するジェイムズの姿勢がはっきりと表れている箇所です。 AAはE・カーツから「アメリカ的な現象」と評される集団です。その「アメリカ的」な思想の土台には豊かで鮮烈な反知性主義が息づいています。 ステップ2の「自分なりに理解した神の概念」という提案のラディカルさは、アメリカの反知性主義なしには理解し得ません。 さらに、ジェイムズの時代も、そしてAAの誕生もダーウィン主義が生まれた後の時代です。ダーウィン主義が神の目的論的証明などの神学の基礎に衝撃を与え、それまでの社会に亀裂を走らせたのは歴史の事実でしょう。
12ステップの本質でもあるスピリチュアリティも、ダーウィンの衝撃を免れてはいません。ビッグブックの不可知論者の章には、その衝撃の痕跡がそこかしこに見て取れます。
では、12ステップのスピリチュアリティはダーウィン主義の衝撃に対してどのような立場をとっているのか
 
上記の様々な論点から、AAの立場を学びます。
 
参考文献