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歎異抄

 
「他力本願」という言葉で有名な浄土真宗の開祖親鸞の言葉をもとに、弟子の唯円が書いたもの。
「いづれの行も及びがたき身なれば,とても地獄は一定すみかぞかし」という言葉は、明確に二度生まれ型の分裂した自己の世界感であり、キリスト教の使徒パウロが『ローマ書』で述べた「正しい者はいない、一人もいない」という絶叫にも似た言葉と通じるものがあります。
「他律」という点で、『歎異抄』は世界の二度生まれ型の宗教と文脈を共有していると言えるでしょう。阿満利麿氏の注や解説も見事です。