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イミタチオ・クリスティ

 
「キリストにならいて」という邦題でも知られている本書は、中世から現代まで世界中で読まれて来ました。『宗教的経験の諸相』にも登場します。
その豊かな霊性、また自己放棄や愛などの概念に触れることは回心や神秘主義の理解にも役立つでしょう。
AA共同創始者のビル.Wとアラノン創始者ロイスの本棚にも、このテキストはありました。AAにとって、ケンピスは霊性のよき教師となってきたのでしょう。
このような箇所は、「われわれはお互い助け合うために生まれてきたのだ」と語ったAAメンバー、ジョー・マキューを彷彿とさせます。
 
ところで神は、私たちが互いに人の重荷を荷い合うことを学ぶように、定められた。なぜならば、誰しも欠点のない人、誰も重荷を負っていない人、誰も自分だけで充足している人、誰も自分自身にとって十分なわきまえをもつ人はいない。私たちは互いに重荷を荷いあい、互いに慰めあい、同じように助け合い、教えあい、いましめあうのが、当然である。
p.55